クラウドネイティブとは?

By Rackspace JP – 2021年8月5日

業界では「クラウドネイティブ」が話題になっています。具体的にはどういうことでしょうか?

クラウドネイティブの本質

クラウドネイティブとは、クラウドを使用してビジネスの課題を解決し、顧客体験を向上させるための規律です。
それは、ワークロードをクラウドに置くだけではありません。
考え方やプロセスを、「データセンターとしてのクラウド」から、「ビジネス上の差別化要因としてのクラウド」に移行することを意味します。

アプリケーションをクラウドネイティブにするものは何か?

何がアプリケーションをクラウドネイティブとするかを理解するためには、アプリケーション開発プロセスにも、同じような考え方の転換を行うことから始めましょう。単にクラウド上でアプリケーションをホストするということに着目するのではなく、目的はクラウドを活用したビジネスの変革である、ということです。言い換えれば、適切なテクノロジーと手法を採用し、迅速なデプロイ、パフォーマンス向上、顧客満足度の向上、コスト最適化を実現することです。
また、これは古いやり方を捨てて、クラウドネイティブなツールや戦略に移行することも意味します。
クラウドネイティブなツールと戦略を中心にアプリケーションを構築することで、クラウドネイティブなアプリケーションを作成できる段階になります。アプリケーションはクラウド用に作られ、チームや顧客がクラウドを活用できる形で設計されている状態です。

アプリケーションをクラウドネイティブにするものは何か?

クラウドネイティブな運用方法と比較すると、従来の方法は、非常に堅牢で、サイロ化しており、手間がかかり、予測不可能に思えます。これらの 「従来の」 アプリケーションおよび方法には、例えば次のものがあります。

  • 仮想マシン
  • データウェアハウス
  • セキュリティ監視
  • ウォーターフォール開発
  • 移行(マイグレーション)

一方、クラウドネイティブな場合では、柔軟性、協調性、自動化、信頼性に優れており、よりスマートで高速、拡張性に優れた運用方法を提供します。

  • コンテナとサーバレス
  • データレイク
  • セキュリティの自動化
  • アジャイル開発
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)

クラウドネイティブアプリケーションを構築するにはどうすればよいですか?

クラウドネイティブなアプリケーションを作成するための基本について、もう少し詳しく説明します。現在、ほとんどのクラウドネイティブアプリケーション開発プロジェクトに共通する要素がいくつかあります。

  • コンテナ
  • マイクロサービス
  • サーバーレス
  • 継続的デリバリのアプローチ
  • DevOpsプロセス

コンテナ

コンテナは、通常の物理的なコンテナと同じように、何かを格納します。ここでいうコンテナとは、アプリケーションと、そのアプリケーションに必要なネットワーク、スケーリング、ロードバランシングなどのすべての機能を格納し、あらゆるクラウドプラットフォーム上で実行できるようにするものです。これにより、開発者は基本的に「一度構築すれば、どこでも実行できる(“build once, run anywhere”)」コードを作成することができ、アプリケーションを超ポータブルにすることができます。この柔軟性により、インパクトのある変更を、頻繁に、予測しながら最小限の労力で行うことができます。

マイクロサービス

従来、アプリケーションはサーバ上で実行される単一のエンティティとして構築されてきました。初期段階での開発、管理、導入は容易ですが、長期的な変更、拡張、保守は困難です。また、すべての機能が結合されているため、ある機能を更新すると、別の機能が壊れるようなリスクがあります。

一方、マイクロサービスでは、各アプリケーションの機能を独自のコンテナ内で独自のサービスとして扱い、APIを介して接続します。これにより、柔軟性とスケーラビリティが大幅に向上し、ある領域に変更を加える際に、別の領域と分けて行うことができます。その結果、最小限のリスクで、新しい機能を迅速かつ容易に、ビルド、デプロイすることができます。

サーバレス

サーバーレス・コンピューティングとは、コンピューティングプロセスにサーバーを使用しないという意味ではありません。それは、オペレーションを継続するために必要なサーバーを維持する必要がないということです。サーバーレスコンピューティングでは、運用管理に必要な重い作業はすべて外部で行われます。これにより、開発者はコードを実行するサーバーの運用から解放され、効率性の向上、セキュリティの強化、大幅なコスト削減を実現します。

CI/CD (継続的インテグレーション/継続的デリバリー)

より高品質なアプリケーションとアップデートをより迅速に提供するために、開発者は継続的インテグレーション/継続的デリバリー (CI/CD) の手法を採用しています。CI/CDは基本的にワークフローを自動化し、コードが追加または変更されるたびに、ビルドプロセスを自動的に開始してテストを開始できます。テストが完了すると、コードは自動的にデプロイされます。つまり、ユーザーは月単位ではなく、毎日、毎週のアップデートや改善の恩恵を受けることが可能となります。

DevOps

DevOpsとは、ソフトウェア開発者とIT運用者が常にコミュニケーションを取り、協力して作業を行うための作業環境、カルチャー、および一連の実務を指します。クラウドネイティブになるための鍵は、カルチャーの変化です。ソフトウェア開発者とIT運用担当者が協力し、プロセスを標準化、自動化することで、ソフトウェアとインフラストラクチャのサービスを迅速、頻繁、確実に生み出すことができます。

クラウドネイティブアーキテクチャの利点

クラウドネイティブなアプローチを採用することで、ビジネスに直結する具体的なメリットを活用できます。

  • イノベーションの実現
    環境とプロセスを変革することで、IoTやAI/MLなどの新しいテクノロジへと拡張し、サーバの制約から解放された自己修復型のオートスケーリングアプリケーションを構築できます。また、クラウドネイティブ環境向けに構築された、セキュリティやコンプライアンスに関する技術を活用することもできます。 
  • 迅速なリリース
    リリースを、毎月ではなくデイリーで実施できるようになることで、ビジネスの機敏性が高まり、製品とサービスをより迅速に市場に投入できるようになり、競争力を上げることができます。
  • 弾力性の向上
    要に基づいてインフラストラクチャリソースのバランスを調整するインテリジェントなスケーリングを行うことで、価値を創造し、コストパフォーマンスを最適化する新しいビジネスモデルを生み出すことができます。
  • プロセス効率
    クラウドネイティブな作業方法を採用することで、組織全体で、古い非効率的な手動プロセスを改善するための方法を見つけることができ、従業員と顧客の満足度が向上します。

クラウドネイティブアーキテクチャの課題

クラウドネイティブの恩恵を見てきましたが、クラウドネイティブへ移行するには、考慮すべき課題もあります。

  • カルチャーの変化
    現状から新しいIT管理方法への移行は困難が多く、トレーニングとサポートが必要になる場合があります。 
  • スキルギャップ
    新しい技術や、技術を連携される新しい方法には、新たなスキルセットが必要であり、新たな人材を採用したり、社内でスキルを新しく習得する必要があります。 
  • レガシーの負担
    多くの組織では、インフラストラクチャに強固に結合された従来型のシステムが存在するため、一部のレガシー機能はクラウドで実現することが困難です。
  • セキュリティリスク
    拡大する攻撃範囲や、急速に変化する脅威に対応するには、セキュリティに関するプロセスを、コンプライアンスを維持しつつ、進化させる必要があります。 

これらの課題はいずれも、適切な専門知識と強固なクラウド戦略によってマネジメントできます。例えば、クラウドネイティブ化の過程で組織が陥る最大の過ちの1つは、既存のインフラストラクチャを十分に精査して、起こりうる障害を特定していないことです。クラウドネイティブに精通したマイグレーションのコンサルタントがいることで、このようなプロセスをサポートし、お客様の移行を成功へと導くことができます。

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20年以上の運用経験と専門的なコンサルティング、クラウドネイティブ開発とDevOpsサービスを提供するRackspace Technologyは、未来の実現を支援します。

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本記事の翻訳編集は、アイレット株式会社Rackspace 事業部ソリューションアーキテクトの猪狩章が担当いたしました。